セラミドのおはなし

2.セラミドの保湿メカニズム

みずみずしい潤い肌の決め手となる成分!「セラミド」についてのおはなし。

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医学博士 芋川 玄爾 先生

監修:中部大学・生物機能開発研究所 客員教授

医学博士 芋川 玄爾 先生

(セラミド研究会顧問)

脂質なのに、水と仲よくなって水をつかまえる?潤いを守る、セラミド特有の働きとは。

セラミドが肌表面の角層に豊富にある肌は、年齢に関わらず、ふっくらと柔らかく、みずみずしい肌となります。水分が蒸発して逃げないように、つなぎとめて肌が受けるダメージから守っているのも角層細胞間脂質・セラミドです。でも、「脂質」なのに水分をつかまえられるのはどうして?セラミド特有の機能に、潤いを守る秘密があるのです。

角層のセラミドが、潤いをつなぎとめています。

肌の最も表面にある角層に存在しているセラミド。わずか0.02ミリというごく薄い角層は、角層細胞がレンガのように積み重なってできています。この細胞と細胞の間をセメントのように埋めている角層細胞間脂質の主成分がセラミドです。

角層細胞の間をきちんと埋めてすき間をつくらせず、物理的にも内側の水分を逃がさないようにして、外からの刺激の侵入も守っているのがセラミド。肌本来の保湿機能を担う重要物質なのです。

しかし、水と交わらないはずの脂質であるセラミド。どのようにしてセラミドは水分をつなぎとめることができるのでしょうか?

水とも脂とも仲よくなれる、ユニークなセラミド。

肌の水分をしっかりと抱え込んで、水分をキープ。特殊ともいえる機能や構造により、セラミドはすぐれた潤いを保つ力を発揮します。

角層に存在するセラミドは、ひとつひとつが水と仲よくできる部分(親水基)と脂と仲よくできる部分(疎水基)を備えた、ユニークな構造をしています。

角層細胞の間でセラミドは、それぞれ水をつかまえながら、その一方側で脂と仲よくつながって、一定の方向を向きながら整列。水分の層とセラミドの層が交互にでき、積み重なって層状の構造をつくりあげます。これが「ラメラ構造」。きれいにラメラ構造が整っていることで、水分がしっかり抱えられ乾燥状態でも蒸発することなく、潤いに満ちた健やかな肌が保たれるのです。

また、ラメラ構造が作られることで、外部からの刺激に対するバリア機能を発揮します。

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セラミドがつくるラメラ構造が水分を抱えています。

角層でつくられる水とセラミドの層・ラメラ構造。セラミドが持つ特殊な構造によって抱えられている水は、通常の水と異なり、寒さや乾燥が強い環境でも凍ったり、蒸発したりしない結合水または不凍水と呼ばれる水です。

だから、セラミドをたっぷりと含み、水とセラミドがきれいに並んだラメラ構造が整っていると、湿度や気温が下がる真冬の過酷な状況でもセラミドに抱えられた水分は蒸発せずに、しっとり潤った肌を守ることができるというわけです。

気になる乾燥には、セラミドの保湿ケア。

肌の水分を守っているセラミドは、私たちが本来持っている肌のチカラでつくり出している保湿物質です。

表皮の底の基底層で生まれたセラミドの赤ちゃんがターンオーバー(角化)とともに表面へと運ばれて角層に到着すると、酵素によりセラミドに成長し、すぐれた保湿機能を働かせるようになります。

加齢や生活習慣の乱れにより、肌が乾燥してトラブルを感じやすくなるのは、ターンオーバー(角化)がうまくいかなくなり、セラミドをつくり出すチカラが弱まっていることも原因です。

肌がパサついてメイクのノリが今ひとつ。元気がないくすんだ感じになっていると思ったら、セラミド配合の化粧品やサプリメント、ドリンクなどを活用するのも賢い美容法です。

まとめ

水分とセラミドのラメラ構造など、0.02ミリという角層のミクロンの世界で繰り広げられている肌のすぐれた働き。セラミドを不足させないように、上手に補給しながら肌本来の保湿機能をサポート。潤う肌を保ち続けたいですね。

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3.セラミド不足の原因は?