水分はその状態によって“自由水”と“結合水”の2種類あります。この水分の状態を正しく理解することが、真の保湿ケアを理解する上で重要です。
自由水は普通に存在している水で、摂氏0度以下で凍る水です。また乾燥下ではすべて蒸発する水です。一方、結合水はセラミドなどによりラメラ構造に組み込まれた水です。ラメラ構造の中でしっかりと結合されて動けないため、氷の結晶を作れず-40℃でも凍らない水(不凍水)で、もちろん極度の乾燥下でも蒸発できない水です。
正常な角層に存在する30%の水はすべて不凍水(結合水)でこのため南極観測隊のメンバーは厳冬で-40℃の環境でも顔を外にだして活動できるのは、角層に存在する水はすべて不凍水(結合水)であるためです。凍る水があると凍結により体積が膨張するため角層の構造が破壊されます。
したがって乾燥下で本当に保湿力のある水分は結合水です。普通の化粧水や乳液に配合されている保湿剤は結合水ではなく自由水を保つ機能があります。一方、結合水をしっかりと保持できる保湿成分はセラミド以外には知られていません。