肌荒れの原因と治し方

2.肌荒れが起こる仕組み

肌荒れについて、症状・原因・治療法を詳しく解説します。

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日野亮介院長

監修:日野皮フ科医院

日野亮介院長

肌荒れは突然ではなく、少しずつ起き始めています。

肌荒れはいくつかの原因やメカニズムが絡まって起こっています。突然あらわれる気がする肌トラブルですが、内側では少しずつ、ダメージの原因が進行・蓄積していることも…!

キメや手ざわりなどから、肌の状態を日々チェックしておきたいですね。

肌荒れが起こる仕組み① ターンオーバーの乱れ

細胞の生まれ変わりがなめらか肌のカギ。

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ターンオーバーとは、肌の細胞が生まれ変わる新陳代謝を指します。肌表面の表皮は、表面から内側へ順に角質層・顆粒層・有棘層・基底層の4層から構成されています。

いちばん底の基底層でつくられた新しい細胞は、どんどん上に押し上げられて姿と名前を変えながら角質層に。約2週間、肌表面にとどまった後、自然にはがれ落ち、次に控えている細胞と入れ替わります。この一連の繰り返しがターンオーバーと呼ばれ、肌の健康状態や美しさを左右するカギとなっています。

なぜなら、角質層は肌の水分を保ち、外部刺激や異物の侵入から肌を守るバリアにもなる重要な部分。ターンオーバーがスムーズにいくことでこれらの機能が十分に働くからです。ターンオーバーは1カ月前後が理想とされ、周期が長くても短くても水分保持力やバリア機能が低下。肌荒れを起こしやすくなります。

長くなった場合は、古い角質層が肌表面に溜まり、乾燥やくすみの原因になります。逆に短くなるのは、日焼けや間違ったお手入れなどで強いダメージを受けた場合です。肌はすばやくダメージを修復しようとしてターンオーバーが短くなり、細胞が十分に育っていないまま表面に押し上げられた状態に。肌の機能も未熟でうまく働かず、皮がむけるような乾燥や敏感肌につながることがあります。

肌荒れを防ぎ、美しい肌を維持するには、ターンオーバーをいかに正常に保てるかがポイントなのです。

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肌荒れが起こる仕組み② 保湿バランスの乱れ

重要なのは、水分と油分のバランス。

肌は、水分と油分のバランスがとれていてこそ、なめらかで健やかな状態を維持できます。その決め手となるのが肌の皮脂と天然保湿因子、細胞間脂質。肌の角質で主にこの3つの成分がうるおいを守っています。しかし、いずれかが減少してバランスを崩すと水分量や皮脂量が低下。肌荒れしやすくなります。

中でも、細胞の間をレンガのように埋めて水分の蒸発を防いでいる細胞間脂質が減少すると、たちまち乾燥が進行。カサつきや吹き出物の症状があらわれます。また、細胞と細胞の間にすき間ができることで、外部からの刺激の侵入を許してしまうことに。細菌などが入ってしまうと、皮膚炎をおこす原因にもなります。

反対に、皮脂の分泌が多くなりすぎると、余分な皮脂や角質が毛穴に詰まって炎症を起こし、ニキビができやすい状態になります。

バランスを崩す原因としては食事のバランスや体内環境の乱れ、加齢による皮脂量や保湿成分の低下が考えられます。乾燥しやすい冬やエアコンなど、季節や生活環境からの影響も気を付けたいものです。

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肌荒れが起こる仕組み③ 免疫力の低下

肌トラブルに現れる、免疫力の衰え。

私たちの身体には本来、外敵から守り、時には撃退する免疫力が備わっています。肌の場合は、刺激や細菌の侵入をガードする働きで健康状態を守っています。

ところが免疫力が低下して肌のバリア機能が弱まると、紫外線や大気汚染、ほこりや雑菌などの影響を受けやすく、結果として肌荒れや炎症、吹き出物が出ることがあります。

疲れがたまったり、不規則な生活や食事が続くと肌荒れしやすいのは、免疫力が低下していることも一因。無理をしないように心掛けながら、免疫機能に働くビタミンやミネラルを補給するなど、日常的なケアも取り入れるといいでしょう。

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肌荒れが起こる仕組み④ 加齢によるダメージ

美肌成分の減少から肌荒れへ。

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身体と同様、加齢による肌機能の低下はやはり避けられず、何もしなくては肌荒れのダメージも年々大きくなると言えます。

まず大きな原因が、年齢とともに美肌成分をつくり出す力が衰える点にあります。新しい肌細胞をつくる基底層の力は年々ダウン。保湿成分の代表とも言えるコラーゲンやヒアルロン酸の産生力も20歳代をピークに下降し続け、体内量は50歳代で20歳代の頃の50~70%にまで減少。加えて、水分量や皮脂の分泌量も少なくなってきます。

さらに、肌のダメージを修復する体内の成長ホルモンも、生まれたときを最高値に年々減少。修復が追いつかず、肌荒れの進行を抑えづらくなります。

老化は避けられない自然現象としても、保湿ケアや生活習慣の見直しなどで進行を遅らせ、肌荒れが気にならない健康な状態を保つことは十分に可能です。

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まとめ

季節ごとの温度や湿度の移り変わり、環境の影響など、私たちの心身はダイレクトに受け止めて、肌の調子を左右しています。

ちょっとした変化も見逃さずに、きちんとケアしながら健やかな肌を守りたいものです。

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